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戦争は愚かな行為ものみの塔 1958 | 1月15日
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無類な時代は1914年に溯ると書いています。
『1914年夏の初めに眠りについた,A・リップ・バン・ウインクルが今目を覚ましたならば,彼は,野蛮な世界に出て来たものだと感じるに違いない。詭弁を弄する,流線型の,しかも高度の技術能力を有する野蛮であるが,それでもやはり彼の知つていた世界と比較するともつと野蛮である。その時も暴虐行為はあつたが,現代のそれと比較すると弱い無力なものである。そして原子爆弾や水素爆弾が発明される以前でも,自由世界は,戦争方法を許してきた。しかし,1914年の8月までは,それらの方法は,文明人にふさわしくないものとして永久に放棄されたように見えた。しかし当時存在していたそのおきてはドイツ人によつて打ち砕かれた。しかも虚無主義のドイツ人でなく,カイザルの尊敬すべきキリスト信者のドイツ人である。勝利を得る助けになるだろうと思つて一度始めると,いつもそうであるように彼らの敵も彼らに倣つた。』
私たちは1914年にこの『野蛮の世界』にはいりました。この年は人間の事柄の大きな転換期になりました。この年に発した第一次世界大戦も意義の深いものです。というのは,偉大な予言者イエス・キリストが,世界大戦は『世の終』のはじまりのしるしであることを予言されたからです。彼は長い期間に関する予言の中で次のようにいわれました,『民は民に,国は国に敵対して立ち上がるであろう。またあちこちにききんが起り,また地震があるであろう。しかし,すべてこれらは産みの苦しみの初めである。』― マタイ 24:7,8。新口。
1914年以来この世を震撼させた『苦しみと悩み』は,その意味を知る人々にとつて良い音信を意味します。それらは天的な神の御国が間もなくこの悪い,戦い合つている世界を滅ぼして地上に永遠の平和をもたらされることを示すからです。人間の見方から考えると希望がないように見えるのは真実です。イエスは,必ずそういう状態になるであろうと云われました。『そして地上では,諸国民が悩み,海と大波とのとどろきにおじ惑い,人々は世界に起ろうとすることを思い,恐怖と不安で気絶するであろう。』― ルカ 21:25,26,新口。
戦争がかくも破壊的な愚かなものになり,人間はそれを切りぬける方法を知らない現在こそ,その時代であります。彼らは計り知れない原子戦争の愚がもう一つの世界戦争の勃発を防止するという確信はさらにないのです。この理由で真のクリスチャンは人よりも神に信頼をおくことが如何に重要であるかがわかります。神こそ,歴史中他に類のないこの時代にあつて,地を滅す者を滅すと約束された方であります。『今います方,昔いました方,ヱホバ神,全能者よ,あなたが大いなる権力を執つて王として治めはじめられたことを感謝します。しかし諸国民は怒り,またあなたの怒りも来ました。そして……地を亡ぼす者らを亡ぼし給う,定められた時が来ました。』― 黙示 11:17,18。新世。
戦争は愚かであります。又同時に人間が永遠の平和をもたらすと信じるのも愚かです。それは神御自身がなされるものです。ヱホバの正義の戦いであるハルマゲドンの後には,戦争はすつかりなくなるでしよう。石の棍棒での戦争さえなくなるのです。ヱホバの御約束は次のようです,『きたりてヱホバの御業をみよ,ヱホバはおほくの懼るべきことを地になしたまえり。ヱホバは地のはてまでも戦闘をやめしめ,』― 詩 46:8,9。
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勇敢な証者たちは勝利を得るものみの塔 1958 | 1月15日
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勇敢な証者たちは勝利を得る
1957年4月,コロンビアにいるヱホバの証者に対して新しい手の改撃が加えられました。それは暴力行為です。しかし,証者たちが権力筋から得た支持もまた新しいものでした。
場面は,カルタナ市から30マイルばかり離れた所,ボリバー州の丘の上にある,人口6000人ばかりの村です。その市に任命された,2人のものみの塔協会の特別代表者は,家から家に伝道していた時,一日中不吉なおどしを聞きました。しかし彼らはそれにも恐れず夕方まで伝道し,家に帰りました。
外が暗くなつてから,『今晩,新教徒に挨拶に行く』といつておどしていた暴徒たちがやつて来ました。頑丈な男たち,教会の婦人連,学校の教師や生徒たちが何百人とやつて来ました。彼らは興奮した調子で『新教徒なんか嫌いだ』,『新教徒なんか出て行け!』,『われわれはローマ・カトリック教徒だ!』とわめきたてました。そして家に石を投げつけはじめました。近所の人々はなぜそんなにひどいことをするのか暴徒たちに理由を聞き,ついに帰つて行くように説きふせました。しかし,暴徒たちは次の晩にも必ず来ると言い残して行きました。
翌朝,証者たちは,ものみの塔協会本部の事務所に電話をかけて状況を知らせました。ただちに調査の手筈がとられ,市長に面会しました。彼は証者たちを見てびつくりしましたが,それでも保護をするという保障はしませんでした。それで,カルタヘナにいる州の官吏たちに面会しました。その時知事は留守でしたが,知事代理がいて,彼は直ちに1台のラジオ付パトロールカーと5人の武装警官に暴力行為のあつた町まで証者たちを送りとどけるように命令しました。
次に証者たちが市長に面会を求めた時,彼は全く別人のように変つていて,よく証者たちの話を聞きとても協力的でした。学校の校長先生とも面談して,この問題はよく納得されました。校長先生も今はヱホバの証者の権利をよく尊重し,その日の午後直ちに他の教師や生徒たちに,正しい行動と他人を尊敬するようにと訓示することを約束しました。
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