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ハルマゲドンを恐れるグラハム
● トロントのバプテスト世界会議で演説をした福音伝道師ビリー・グラハムはこう叫びました。「神よ,我々をハルマゲドンの戦争から引き戻してください。……我々はそこへまっしぐらに向かっているからです」。この言葉を報じたザ・グローブ・アンド・メール紙のコラムニスト,ディック・ベドーズは,グラハムがハルマゲドンを超大国間の戦争と見ているとも伝えました。
しかし,聖書はハルマゲドンが諸国家間の戦争ではないことを明確に示しています。むしろそれは,この世の軍事諸国家すべてに対する神の戦いです。啓示 16章14-16節で,それは「全能者なる神の大いなる日の戦争」と明白に述べられています。熱烈な祈りをも含め,何物も,その戦争を阻止することはできません。その戦争は起きなければならないというのが神の言明されたご意志だからです。(ゼパニヤ 3:8。啓示 19:17-21)神のこの戦争により,神の支配権は永遠に確立され,正義の支配に反対する人間や組織は取り除かれて真の平和と安全がもたらされます。『温和な者たちが地を受け継ぐ』方法はこれしかありません。―詩 37:11,新。マタイ 5:5。
ですから,グラハムはハルマゲドンが来るようにと叫び求めるべきです。それは,『神の王国が来る』こと,ひいては,『神のご意志が天におけると同じように,地上においても成される』ことを意味しているからです。(マタイ 6:10)その時,神の王国は「これら[人間の]すべての王国を打ち砕いて終わらせ,それ自体は定めのない時に至るまで立ちます」。―ダニエル 2:44,新。
「醜聞と毎日取り組む」
● 「カトリック教徒は,自分の交わる公の教会が引き起こす醜聞と日ごとに取り組んでいる」と,カトリック教徒であるコラムニスト,ケビン・スターはサンフランシスコ・エグザミナー紙上で言明しています。一例として次のように述べています。「法王がラテンアメリカへ行き,……貧しい人々に対する公正を説く。そのすぐあとに,[別のカトリック教国]で,大司教一人と司教3人の指導の下でただでさえ少ない国家資産がはなはだしく浪費されるという光景が追い打ちをかける。その際に使われた膨大な額のお金は,貧しい人々,それも極めて貧しい人々から取り上げられたものである」。スター紙は,幾億円もの費用をかけ,それらの僧職者によって執り行なわれた国家主催のある結婚式に言及していました。
このコラムニストは,裕福で影響力の強いカトリック教徒が結婚の取り消しを認めてもらっているのに,他の人々が「長年独り住まいを余儀なくされ,最初の結婚式をカトリック式で行なったという理由で再婚を禁じられ,“カトリック教会外”で再婚するなら秘跡を施してもらえない(まさに破門である!)」という実情を認めています。スター紙はまた,僧職者たちが最も圧制的な政治分子と手を結んでいる事実にも注意を向けています。
そして結論としてこう述べています。「ローマ・カトリック教会……は明解さと一貫性を求める人々のための教会ではない」。カトリック教会には,「腐敗と妥協が網の目のようにめぐらされている」ことを認め,こう加えています。「考えや言動に図式的な一貫性を求めるとすれば,読者はきっとカトリック教会を離れるであろう」。
政治に宗教を持ち込むことは神の方法か
● 米国テネシー州メンフィスのコマーシャル・アピール紙によると,バプテスト派の著名な僧職者エドリアン・ロジャーズは「僧職者が政治に介入する現象」に対する自分の立場について尋ねられた時,こう答えました。「神が政府というものを制定しておきながら,ご自分の民にそれから離れているよう命じられたとはとても考えられない」。そしてこう述べています。「政治問題や公職に立候補する人々についてはっきりした立場を取る福音主義者たちがますます増えてゆくのを見るであろう。私はそうあって然るべきだと思う」。
しかし,イエスが追随者に政治に関与するよう励ましておられる箇所はどこにもありません。むしろ,「わたしが世のものでないのと同じように,彼らも世のものではない」と述べておられます。(ヨハネ 17:14)また,サタン悪魔はイエスに「世のすべての王国」を提供しましたが,そのような権力を与えられればどんな政治家よりも立派な業績を残せたのに,イエスはその申し出を退けました。そして,聖書が述べるように,悪魔が「この事物の体制の神」であることをイエスははっきりと認めておられました。―ルカ 4:5-8。コリント第二 4:4。
この世の政治・商業・偽りの宗教の諸体制を通して平和と繁栄をもたらすことが神の目的なら,それはずっと昔にもたらされていたでしょう。しかし,それは神の目的ではありません。むしろ,神はこれらの諸体制を除き去り,「新しい地」(新しい人間社会)を招来されます。そこには「義が宿ります」。―ペテロ第二 3:12,13。