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和解聖書に対する洞察,第2巻
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エホバ神はイスラエル国民の不忠実さと,彼らが国民全体としてはみ子を退けたことを理由に,一国民としてのイスラエルとの契約関係を終わらせました。(マタ 21:42,43; ヘブ 8:7-13)『彼らを捨て去ることが世にとって和解を意味した』と述べた使徒パウロは,そのことに言及しているようです。(ロマ 11:15)というのは,文脈から明らかなように,そうした変化によって,ユダヤ人の社会外,もしくはユダヤ人の会衆外の世のために道が開かれたからです。すなわち,ユダヤ人の忠実な残りの者に加えて,非ユダヤ人の諸国民にも,神の新しい国民である霊的なイスラエルとして,新しい契約に入る機会が開かれたのです。―ロマ 11:5,7,11,12,15,25と比較。
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世,世界聖書に対する洞察,第2巻
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大洪水以前の不義の世,つまりそのときの人間社会は終わりましたが,人類そのものは終わったわけではなく,ノアとその家族という形で存続しました。大洪水後,人類の大多数はまたも義からそれ,再び邪悪な人間社会を形成しました。それでも,義に付き従って別の歩み方をする人々がいました。やがて神はイスラエルをご自分の選んだ民として指定し,彼らをご自分との契約関係に入れられました。イスラエル人はこうして一般の世と区別されたため,パウロはローマ 11章12-15節(新世,欽定)でコスモスつまり「世」を,イスラエル人ではない「諸国の人たち」すなわち「異邦人」の同義語として用いることができました。パウロはそこで,イスラエルが背教したために神が彼らとの契約関係を解除するという事態になり,その結果,異邦人が神と和解してそのような関係とそれに伴う富にあずかる道が開かれたことを指摘しています。(エフェ 2:11-13と比較。)したがって,大洪水後の,そしてキリスト教以前の時代のコスモスつまり「世」も,やはり神の是認された僕たち以外の全人類を表わしており,特にイスラエルがエホバとの契約関係にあった時代のイスラエル以外の人々を表わしていたことになります。―ヘブ 11:38と比較。
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