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毒草聖書に対する洞察,第2巻
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メシアに関する予告によれば,彼は食物として「毒草」を与えられることになっていました。(詩 69:21)このことは,イエス・キリストが,杭につけられる前に胆汁を混ぜたぶどう酒を差し出された時に起きました。その飲み物は苦しみを軽減させるためのものだったと思われますが,イエスはその味を見ると,感覚をまひさせるその飲み物を拒絶されました。この預言の成就を記録するにあたって,マタイ(27:34)は,ギリシャ語セプトゥアギンタ訳の詩編 69編21節に出ているのと同じギリシャ語のコレー(胆汁)という言葉を使いました。しかし,マルコの福音書の記述では没薬となっています。(マル 15:23)このことから,この場合の「毒草」または「胆汁」とは「没薬」のことであったという見方が生じてきました。ほかに,薬物を加えたこの飲み物には胆汁と没薬の両方が含まれていたという可能性もあります。
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酢聖書に対する洞察,第1巻
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イエス・キリストが地上におられたころ,ローマの兵士たちはラテン語でアケートゥム(酢),また水で割ってあればポスカとして知られている,酸味のある弱いぶどう酒を飲んでいました。苦しみの杭に掛けられていたイエス・キリストに提供されたのは恐らくこの飲み物だったのでしょう。イエスは苦しみを和らげるために没薬(または胆汁)を混ぜた酸いぶどう酒を差し出されたとき,それを飲もうとされませんでした。(マル 15:23; マタ 27:34。詩 69:21と比較。)しかし,息絶えるほんの少し前には,口もとに持って来られた海綿から何も混ざっていない酸いぶどう酒をお受けになりました。―ヨハ 19:28-30; ルカ 23:36,37。
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ぶどう酒や強い酒聖書に対する洞察,第2巻
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一部の人たちの誤った意見とは反対に,アルコール飲料は精神刺激剤ではなく,実際には中枢神経系の鎮静剤また抑制剤です。「あなた方は,滅びうせようとしている者に酔わせる酒を,魂の苦しんでいる者たちにぶどう酒を与えよ」とあります。それは,そのような人々に自分の窮状を一層意識させるための精神刺激剤としてではなく,むしろ箴言が述べているように,彼らが『自分の難儀を忘れる』ようにするために与えられるのです。(箴 31:6,7)ローマ人の間には,処刑の時に苦痛を和らげるため犯罪者に薬を混ぜ合わせたぶどう酒を与えるという古代からの習慣がありました。ローマの兵士たちがイエスを杭につける時に薬を混ぜ合わせたぶどう酒をイエスに差し出したのは恐らくそのためでしょう。―マル 15:23。
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