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イエス・キリスト聖書に対する洞察,第1巻
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それで,これも確かなことですが,悪霊たちは取りついていた人から出るようにというイエスの命令に屈服したとき,イエスが神の犠牲の子羊であるという根拠に基づいてではなく,王国の油そそがれた代表者としてのイエスの名が表わしていた権威のゆえにそうしたのです。その方はみ使いの単なる1軍団どころか,12軍団を要請する権威を持ち,去るようにとの命令に強情に抵抗するどんな悪霊たちをも追い出すことのできる方なのです。(マル 5:1-13; 9:25-29; マタ 12:28,29; 26:53。ダニ 10:5,6,12,13と比較。)イエスの忠実な使徒たちは,イエスの生前にも死後にも,イエスの名を用いて悪霊を追い出す権威を与えられていました。(ルカ 9:1; 10:17; 使徒 16:16-18)しかし,ユダヤ人の祭司スケワの息子たちがイエスの名をそのような仕方で用いようとしたところ,邪悪な霊は彼らにどんな権利があってその名の表わす権威に訴えるのかと挑み,悪霊に取りつかれていた男に彼らを襲わせ,ひどい目に遭わせました。―使徒 19:13-17。
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神の王国聖書に対する洞察,第1巻
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地上の創造物に対するエホバの王権は,その王なる代表者により,多くの方法で,目に見える仕方で実証されました。神のみ子は神の霊,つまり活動する力によって,風や海,植物や魚のみならず,食物の有機的な元素をさえ支配し,食物を増やされました。弟子たちはそのような強力な業を見ることにより,イエスの持っておられた権威に対して深い敬意を抱くようになりました。(マタ 14:23-33; マル 4:36-41; 11:12-14,20-23; ルカ 5:4-11; ヨハ 6:5-15)弟子たちになお一層深い感銘を与えたのは,イエスが人体に対して神の力を行使し,盲目かららい病に至るまで様々な苦しみをいやし,死人を生き返らせるのを見たことでした。(マタ 9:35; 20:30-34; ルカ 5:12,13; 7:11-17; ヨハ 11:39-47)イエスはいやされたらい病人たちを,神から権限を与えられていたものの,おおむね不信仰だった祭司たちのもとへ,「彼らへの証し」として赴かせました。(ルカ 5:14; 17:14)最後に,イエスは超人的な霊者たちに対しても神の力を示されました。悪霊たちはイエスに授けられていた権威を認め,イエスの後ろ盾となっている力を試すという決定的なことをするよりもむしろ,イエスの命令に従って,自分たちが取りついていた人々を解放しました。(マタ 8:28-32; 9:32,33。ヤコ 2:19と比較。)悪霊を追い出すというその強力な業は神の霊によって行なわれていたのですから,それは,神の王国がイエスの話を聴いた人たちに本当に『及んで』いたということになります。―マタ 12:25-29。ルカ 9:42,43と比較。
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