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イエス・キリストの系図聖書に対する洞察,第1巻
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実際のところ,これらの系図(マタイの表とルカの表)は,それぞれダビデの家系のソロモンを通る系統とナタンを通る系統を示しています。(マタ 1:6; ルカ 3:31)マタイとルカの二つの一覧表を調べると,それらの家系はソロモンとナタンの箇所で分かれた後,再び一緒になって,シャルテルとゼルバベルという二人の人物を連ねていることが分かります。このことは次のように説明できます。すなわち,シャルテルはエコニヤの息子でしたが,ネリの娘と結婚してネリの婿となったため,「ネリの子」と呼ばれているのかもしれません。また,ネリには息子がなく,そのためにシャルテルがその「子」とみなされたとも考えられます。ペダヤの実の息子であったと思われるゼルバベルは,前に述べたように,法的にシャルテルの子とみなされました。―マタ 1:12; ルカ 3:27; 代一 3:17-19と比較。
次に,二つの記述はゼルバベルにレサとアビウデという二人の子がいたことを示しており,家系はここで再び分かれます。(この二人は実の息子ではなく,子孫であったかもしれず,あるいは少なくとも一人は義理の息子であったかもしれません。代一 3:19と比較。)(ルカ 3:27; マタ 1:13)ここでマタイとルカによるイエスの系図は,どちらも歴代第一 3章にある系図と異なっています。これはマタイが幾つかの名を故意に省いたため,そしてもしかしたらルカもそうしたためかもしれません。しかし,マタイとルカがそれぞれ記した系図の一覧表の中のこのような相違は,当時用いられ,ユダヤ人が十分に受け入れていた系図の記録の中にすでに存在していた可能性が高く,したがってマタイやルカが変えたものではないということを銘記すべきです。
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