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ティルス聖書に対する洞察,第2巻
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後に,ゼカリヤは再度ティルスの破滅を予告しましたが,今度は島にあったほうの都市に対するものでした。そこに達するために,アレクサンドロス大王は本土側の都市の残骸を集めて土手道を構築し,攻囲用の巨大な塔を建設しました。ティルスは高さ46㍍の城壁を構えていましたが,預言のとおりになりました。―ゼカ 9:3,4; エゼ 26:4,12。
空から見たティルス。土手道の周辺部が見えますが,今ではかなり埋まっています
レバノン杉。ティルスの王ヒラムは,エルサレムの神殿の造営のために杉材を供給しました
古代ティルスの交易品。象牙,油,貴金属,木材,赤紫に染めた織物
古代ティルスで用いられたと思われる型の交易船の模型
ティルスのテトラドラクマ(シェケル)銀貨に描かれた古代ティルスの神々のひとりメルカルト
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ティルス聖書に対する洞察,第2巻
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ティルスがネブカドネザルと行なった戦闘は大規模なものでしたが,ティルスはそれで完全に滅亡することにはなっていませんでした。後代の預言的な宣告が示すところによると,ティルスは塁壁を築き,金や銀を積み上げるものの,エホバご自身が彼女を完全に滅ぼされることになっていました。―ゼカ 9:3,4。
ゼカリヤの預言は,述べられてからほぼ200年後に成就しました。西暦前332年,アレクサンドロス大王は軍を進めて小アジアを横断し,南へ一挙に攻め進んだ際,ティルスに注意を向けるだけの休止を入れました。同市が城門を開けるのを拒否すると,アレクサンドロスは激怒し,自分の軍隊に本土側の都市の残骸を集めさせ,それを海に投入して島側の都市に通じる土手道を構築させましたが,これはすべて預言の成就でした。(エゼ 26:4,12; 第2巻,531ページの図)アレクサンドロスは自分の海軍を用いてティルスの船を彼らの港に閉じ込めておき,かつて古代の戦争で用いられた中でも最も高い攻囲用の塔を建設することに着手しました。7か月後,高さ46㍍の城壁はついに破られました。戦闘で8,000人の軍人が殺されたほか,報復措置として2,000人の主立った指導者たちが殺され,3万人の住民が奴隷として売られました。
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