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おどろ聖書に対する洞察,第1巻
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ヘブライ語のヘーデク(おどろ)は,Solanum coagulans,つまり,とげのある低木であるグレイ・ナイトシェードと同定されています。(「聖書言語のシソーラス」,一部,M・Z・カッダリ編,エルサレム,1968年,第3巻,88ページ)箴言 15章19節はヘーデクという語を用いて,怠惰な人の道筋をおどろの垣になぞらえていますが,これはそのような人がどんな引き受け仕事に関しても困難やとげのような問題を心に描いたり想像したりして,それを口実に事を進めようとしないという意味のようです。預言者ミカはイスラエル国民の道徳の退廃ぶりを見て,その民に関し,彼らの「最も善良な者はおどろ[ヘ語,ケヘーデク]に似ており,最も廉直な者もいばらの垣根に勝らない」と述べましたが,これは,とげの多いおどろやいばらの垣根がそばに寄りすぎる人に害を与えるのと同様,イスラエル人の中で最も善良な者でも,その者と付き合う人に害を与える存在であるという意味のようです。―ミカ 7:4。
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垣,垣根聖書に対する洞察,第1巻
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果樹園やぶどう園は,盗人や動物の略奪からその場所を保護するために,とげのある植物が生い茂る厚い垣で囲まれるのが普通でした。(イザ 5:5)聖書は,『垣を巡らす』という表現を比喩的な意味で用い,保護を差し伸べることを表わしています。(ヨブ 1:10)他方,「垣で閉じ込める」という表現は,障害物や障壁を築いて一個人を,または一国民をさえ,逃げ道のない無力で見捨てられた状態に置くことを表わすのに用いられています。(ヨブ 3:23; ホセ 2:6。ヨブ 19:8; 哀 3:7-9と比較。)ミカは,当時のイスラエル人の間に存在していた道徳的な腐敗に関して,その「最も廉直な者もいばらの垣根に勝らない」,つまり厄介で,有害で,危険であると書きました。―ミカ 7:4。
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