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荒野聖書に対する洞察,第1巻
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比喩的な用例 パレスチナの東および南東にある荒野の地域は,今ではシロッコと呼ばれるひどい熱風の発生源でもありました。シロッコとは,アラビア語の「東の風」という意味の言葉(シャルクイーエ)に由来する語です。砂漠から吹き込むこの風には物を干上がらせる甚だしい影響力があります。大気中の湿気はすべて吸収され,多くの場合,細微な黄塵が運ばれて来ます。(エレ 4:11)シロッコはおもに春と秋に吹きますが,春のシロッコは植物や穀物に甚大な被害を及ぼす場合があります。(エゼ 17:10)エホバは,背教した北のイスラエル王国を代表する部族としてのエフライムについて話された時,エフライムが「増えるとしても,東の風……がやって来る。荒野からそれは上って来て,彼の井戸をかれさせ,その泉を干上がらせる。その者はすべての望ましい品々の宝を略奪する」と予告されました。荒野から吹いて来るこの破壊的な東風は,東からやって来るアッシリアがイスラエルを攻撃し,強奪を行なって,イスラエル人をとりこにして連れ去ることを象徴していました。―ホセ 13:12-16。
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あおり分け聖書に対する洞察,第1巻
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比喩的な用法 「あおり分ける」という言葉は,しばしば比喩的な意味で用いられます。例えば,エホバはバビロンとその住民に対して「あおり分ける者たち」を遣わし,その都をあおり分けることを意図されました。(エレ 51:1,2)その「あおり分ける者たち」とは,キュロスの率いるメディア人とペルシャ人でした。事実上,彼らはバビロンとその住民を空中にほうり上げ,風がこれを捕らえて,燃やされるもみがらのように吹き払うようにしました。(マタ 3:12; ルカ 3:17)同様に,予告されていた通り,エホバはそれより以前,バビロンを用いてご自分の民をあおり分け,彼らを敗北させて散らされました。(エレ 15:7)それから,エホバは預言者イザヤを通して,ご自分の民に対し,やがて彼らが敵をもみがらのようにして,あおり分ける時が到来することを保証されました。(イザ 41:14-16)エレミヤ 4章11節にある,エルサレムに吹き寄せる「熱風」は,「あおり分けるためのものでもなく,清めるためのものでもない」と言われています。あらしのような熱風はあおり分けるのには適していませんから,これは熱風の破壊的な性質を指し示しています。
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