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盲目聖書に対する洞察,第2巻
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盲目は古代の中東ではかなり一般的に見られる病苦だったようです。聖書の中に相当数の言及が見られるほかに,エジプトのエーベルス・パピルスのような世俗の文書もしばしば盲目に言及しており,何種類かの態様や症状について描写すると共に,洗眼を指示し,使われた外科用の器具の名も幾つか挙げています。魂には魂,目には目,歯には歯,手には手,足には足を要求したイスラエルの応報の律法は命の神聖さに重きを置くだけでなく,他の人に危害を及ぼすことのないよう細心の注意を払うべきことをイスラエル人に強く銘記させました。それはまた,法廷で述べる証言はすべて正確で真実であるよう心がけねばならないことを民に強調しました。なぜなら,虚偽の証言をした者は自分が無実の人に負わせたであろうその処罰を身に受けることになっていたからです。(出 21:23,24; 申 19:18-21; レビ 24:19,20)もし主人が自分の奴隷の片目を失わせることがあれば,その主人は自分の片目を抜き取られる代わりに,その奴隷を自由にすることになっていました。(出 21:26)奴隷には働くことを要求し,反抗的であれば打ちたたくこともできましたが,それでもこの規定によって主人は過度に厳しい扱いをしてはならないことを意識させられたのです。
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犯罪と処罰聖書に対する洞察,第2巻
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危害が故意に加えられた場合,同害刑法,つまり同様のもので償うという報復の律法により,厳格な公正が施行されました。(申 19:21)この罰が執行された例が少なくとも一つ記録されています。(裁 1:6,7)しかし,裁き人たちはその犯行が故意のものか,それとも過失や事故などによるものかを,証拠に基づいて見極めなければなりませんでした。報復の律法に関する一つの例外として,女が争いの渦中にある夫を助けようとして相手の男の陰部をつかむという状況を扱った規定がありました。この場合には,彼女の生殖器を損なう代わりに,その手が切断されることになっていました。(申 25:11,12)この規定には生殖器に対する神の配慮が表われています。また,その女には夫という所有者がいましたから,この規定は,憐れみ深い点として,妻によって子供をもうける夫の権利を考慮に入れていました。
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