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アビヤタル聖書に対する洞察,第1巻
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アビヤタルはダビデがサウルのもとを去って逃亡者となっていた期間中,またアブサロムが反逆した時期にも,ダビデの一行と共に多くの苦難に耐えて忠実に仕えた記録を残しましたし,およそ40年にわたってダビデの信任と友情と好意を得ていました。このような事を考えると,アビヤタルが,後に王位をねらって陰謀を企てた,ダビデの別の息子アドニヤにくみするようになったのは驚くべきことです。その企ては軍の長ヨアブからも支持されていましたが,失敗に終わり,ソロモンが王として任命され,忠節な祭司ザドクがダビデの指図に従って油そそぎを行ないました。(王一 1:7,32-40)アビヤタルの子ヨナタンは,アブサロムが謀反を起こした時,ダビデに知らせを伝える走者として仕えましたが,今度はアドニヤのところに行って,その企てが失敗したことを伝えました。ソロモン王はアビヤタルに対して直ちに処置を取ることはしませんでしたが,その企てがなおくすぶっていることを示す証拠が明らかにされた時,アドニヤとヨアブの処刑を命じ,次のように言って祭司アビヤタルをエルサレムから追放しました。「あなたの野,アナトテに行きなさい! あなたは死に値するからだ。しかし,今日,わたしはあなたを殺すことはしない。あなたはわたしの父ダビデの前で主権者なる主エホバの箱を担いだし,わたしの父が苦しみに遭っていた間中ずっとあなたも苦しみに遭っていたからだ」。(王一 2:26)
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アビヤタル聖書に対する洞察,第1巻
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しかし,列王第一 2章26節はソロモンがアビヤタルをアナトテにある彼の野に行かせたことを示しており,アナトテはギベオンから余り遠くないとはいえ,ソロモンの命令はアビヤタルが祭司のどんな職務にも活発にあずかることがないように解任されていたことを示唆しています。
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