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エホバが神であることをバビロン的な敵意の中で擁護するものみの塔 1966 | 12月1日
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18:3)彼らはこう言います。『ヨブよ,おまえは神の前で正しい立場を保とうとして,宗教のことをまじめに考えすぎている』。(ヨブ 22:2-4)外に現われたことから言うなら,ヨブは「悪人」であり,そのゆえに神からのさばきを受けているに違いない。(ヨブ 22:5-10)最後に,これらバビロン化した賢者たちは,自らを「死ぬべき人」(ヨブ 7:1,17,新世訳)と呼ぶヨブが神の前で,清く,正しい立場を得ることはできないと,無骨に決めつけます。―ヨブ 25:4。
ヨブは内省する
22 ヨブはどうして自分自身に目を向けるようになりましたか。ヨブはどんなことを言いましたか。
22 この不敬けんな3人組は,こうした物質主義的な論議を長々と三巡させ,ヨブをして自己弁護に追いやり,至上権の問題を扱われるまことの神の正しさを賞揚するかわりに,自分のたましいの正しさを主張させます。ヨブの心の内面で次のような問答をくり返し,ヨブは自分の心を調べます。「人を監視される者よ,わたしが罪を犯したとて,あなたに何をなしえようか。なにゆえ,わたしをあなたの的とし,わたしをあなたの重荷とされるのか」。(ヨブ 7:20)「わたしは知る,わたしをあがなう者は生きておられる」(ヨブ 19:25)「ああ,わたしに聞いてくれる者があればよいのだが,わたしのかきはんがここにある。どうか,全能者がわたしに答えられるように」。(ヨブ 31:35)こうして,地上の手先をとおして働く,許されたサタンの手のもとに置かれたこの長い果たし合いによって,ヨブはその心の奥底を試みられました。しかしヨブの心はどこまでも真実であり,汚れなく,神を信頼して望みに満ちていました。
エリフの評価
23 (イ)長い宗教的な議論をエリフはどう評価しましたか。(ロ)エホバはどのように介入されましたか。ヨブはどんな態度をとりましたか。
23 最後に,中立の傍観者としてその場にいたエリフがことばを出し,議論を終えた両者の知恵の真偽を正しく評価します。「ヨブが神よりも自分の正しいことを主張するので,彼はヨブに向かって怒りを起こした。またヨブの三人の友が〔神〕を罪ありとしながら,答える言葉がなかったので,エリフは彼らにむかっても怒りを起した」。(ヨブ 32:2,3,〔新世訳〕)それゆえ,神の至上権の論争に関して,3人の偽りの慰め手は全く敗北しました。またヨブはまことの神への誠実な態度を保ちながらも,自分の正しさを主張しすぎて脱線しました。この後,このドラマの終わりとして,神がつむじ風の中からヨブに語られ,まことの神の壮大な知恵を示されます。ここでエホバは,創造の驚異と,死ぬべき人間の知恵をはるかに越える,すばらしい自然とについて語り,ご自分が至上の神権者であることを立証されました。(ヨブ 38-41章)こうして雨のような天の知恵をあびた,ヨブの清い心はすぐそれに応じます。「わたしは知ります,あなたはすべての事をなすことができ,またいかなるおぼしめしでも,あなたにできないことはないことを。それでわたしはみずから恨み,ちり灰の中で悔います」― ヨブ 42:2,6。
24,25 (イ)神に関する論争の両側をエホバはどう裁かれましたか。(ロ)ヨブのドラマはどんなかたちで終わりますか。(ハ)どんな疑問が起きますか。その問題はどのように扱われますか,
24 ついでエホバは3人の偽りの友をとがめたエリフを正しいとされます。「わたしの怒りはあなた〔エリパズ〕とあなたのふたりの友に向かって燃える。あなたがたが,わたしのしもべヨブのように正しい事をわたしについて述べなかったからである。それで今,あなたがたは雄牛七頭,雄羊七頭を取って,わたしのしもべヨブの所に行き,あなたがたのために燔祭をささげよ。わたしのしもべヨブはあなたがたのために祈るであろう。わたしは彼の祈を受けいれるによって,あなたがたの愚かを罰することをしない。あなたがたはわたしのしもべヨブのように正しい事をわたしについて述べなかったからである」。(ヨブ 42:7,8)こうして,バビロン化した賢人の背教的な宗教は,二度も『正しくない』と言われたエホバ神ご自身によって暴露されました。彼らが知恵としていたものは愚かな考えであるにすぎませんでした。自ら挑戦したサタンは哀れにもその論争に敗れたのです。3人の「友」たちは身を低くして自らを改め,真の宗教を受け入れてヨブに命ごいの祭司となってもらわねばなりませんでした。ヨブについて言えば,エホバは「ヨブの繁栄をもとにかえし」,初めに失った資産の2倍をヨブに与えました。そして家族について言えば,妻も年が進んでいたにもかかわらず,ヨブは7人のむすこと,3人の美しい娘を持つようになりました。―ヨブ 42:10-15。
25 確かに,エホバはご自分の至上権を擁護する忠実な証人を地上に選び出され,まことの神としての力を立証されました。そしてヨブはその時代の擁護者として正しさを認められる者となりました。このドラマになにか預言的な意味がありますか。それは後の時代の真の知恵を持つ者にとって関心となるところです。次の記事の中ではこの問題に関する肯定的な証拠が提出されています。
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「敵意の的」イエスはエホバが神であることを擁護するものみの塔 1966 | 12月1日
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「敵意の的」イエスはエホバが神であることを擁護する
「罪人らのこのような反抗を耐え忍んだかたのことを,思いみるべきである」― ヘブル 12:3。
1 イエスは大いなるヨブであると言えるのはなぜですか。
ヨブの名には「敵意の的」という意味があります。a 試練を経験した時のヨブはいかにも敵意の的であったではありませんか。ヨブはサタンおよびバビロン化した友人たちの敵意を浴びました。さて,このできごとのすべてはちみつな預言劇であり,一次的には大いなるヨブであるイエス・キリストに成就しています。しかし,このことの教訓的な証拠を検討する前に,イエス以前の5世紀間における,パレスチナおよび周辺の異教世界の宗教事情について調べることが必要でしょう。その500年の間に,サタンはきわめてこうかつな宗教上の諸勢力と混乱的な教義とを生み出しました。それは,約束の「すえ」が地上にいつ現われても,その者を極度の試練に会わせるためでした。(創世 3:15)これから先に見るとおり,完全な人間イエスは大いなるヨブ,すなわち大いなる「敵意の的」以上のものになることができました。エホバ神が至上の神であることを立証するために,イエスは罪人の反抗を耐え忍ばれました。―ヘブル 12:3。
イエスの到来にそなえて宗教事情をととのえる
2,3 (イ)パレスチナとバビロンの2ヵ所にユダヤ人の中心地ができたのはなぜですか。(ロ)ユダヤ人の宗教はどのように広がりましたか。それは何を中心にしていましたか。
2 聖書および一般の歴史から見て明らかな
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