東ドイツからの報告

伝道者 1950 21,048 1951 17,256 1952 伝道中 1953 伝道中

共産主義支配者の迫害は，東ドイツで続けて行われています。聖書の文書，『ものみの塔』また冊子だけでも持つているのが分ると，時折りに兄弟姉妹たちは逮捕され家から引き出されたり，または何処かに行く途中で捕われます。『人民の警察』は，汽車の中や，交叉点や，多くの交通の要所で，毎日検査をしています。それですから，必要な精神的な食物を私たちの兄弟たちに供給することは，断えず危険にさらされるのです。しかし，兄弟たちは必要なものをうけとり，またそればかりでなく他の羊を牧い彼らの空腹と渇きをいやししづめるために少しく取り残している程です。

現在のところ，全部で1016名の兄弟姉妹が牢獄に入つており，合計6865年という『刑罰』をうけています。つまり，各人にあたり，平均して6年と9ヶ月という刑罰になります。― これは，彼らが殺人者や，ドロ棒であつたためでなく，また盗みをしたためでもありません。最高者であるヱホバに献身をかたく保ち，ヱホバの御名と彼らの永遠の生命のために，正義を汚されずに保ちたいと願うからなのです。以前の数字と比較してみますと，迫害や逮捕はたえず増加していることが分ります。共産主義者たちは，せせら笑つてある時『誰が息を長く吸うか見てやろう』と言いました。彼らは兄弟たちに多くの害を加えることができましたが，神権制度をうちこわすこともできなければ，良いたよりを止めることもできません。そのような残酷な迫害を3年間してきましたが，彼ら自身たいへん難しいことがらと直面しています。鉄のカーテンのうしろにいる私たちの兄弟たちは，これからも多くのことを耐え忍ばねばならないでしよう。でも兄弟たちはみな強い確信を持つており，迫害者のとるひどい方法は，自業自得になるということをすでに見ています。『穴を掘るものは，自らこれにおちいらん。石を転しあぐる者の上には，その石まろびかえらん。』（シンゲン 26:27）東部ドイツで，禁止と迫害が始まつてから，2058名の兄弟と姉妹が監禁され，きびしい残酷な取り扱いや，いちばん悪い脅迫にもかかわらず，たつた49名の者のみが転向したのみで，他のすべての者はより強い決心をもつて信仰のために戦つており，忠実を保つよう努力しています。この戦いにあつて，私たちは神権制度の力で彼らを援助していますが，その特権に対して感謝しています。

東部ドイツの野外奉仕活動についての報告を集計することは，ひじうにむづかしいことですが，しかし，その報告によると，迫害によつて業は止められず，また増加も止められないということが分ります。ヱホバはすべての敵にたいして，御自身の至高性と至上の主権を表し示されます。地上にあるヱホバの神権政府の発展を彼らは止めさせることが全然できませんし，また遅れさすこともできません。1000名の兄弟たちは，身体の自由を失われていますが，しかし霊においては新しい世の社会と交つています。敵はそのことを止めさせることができません。その1000名の兄弟たちは，大会の時に愛のあいさつを送り，またニューヨーク，ニューレンベルグそしてベルリンに集つた幾万という人々に心からの一致の言葉を送りましたが，敵はそのことを止めさせることができませんでした。

読者よりの質問

申命記 14章21節（新世）『あなた方は死んだ体を食べてはならない』という聖句とレビ記 11章40節（新世）の聖句『死んだ体を食べる者は，その衣服を洗い，夕方まで汚れていなければならぬ。』はどのように調和できますか？

この二つの聖句のあいだには，実際のところ不調和はありません。一方の聖句は，自然に死んだか，または死んだ状態で見出された動物を食べることを禁じていますが，他の聖句はその禁示に違反して食べることに対する刑罰を示しています。死んだ体を食べることが禁ぜられているという事実だけでもつて，そのような事が決して起らないとは限りません。律法は多くの事を禁止していましたが，またそれら禁止の違反に対する刑罰をも記していました。あることが禁ぜられていたという事実だけで，そのことが決して行われないとは意味しません。それで刑罰がつくられてその禁止の力を強めました。盗み，悪口，姦淫，殺人，そしてその程度に差はあるとしても多くの他の罪に対して禁止が与えられていて，またいろいろの厳格さをもつ刑罰が律法には定められていて，イスラエルを導き，禁止違反者たちを取り扱わせました。それで，それは死んだ体を食べる事についての問題だつたのです。