-
エフェソス 注釈 5章新世界訳聖書 (スタディー版)
-
-
詩や神への賛美の歌や崇拝の歌: 1世紀のクリスチャンはエホバを賛美する時に,聖なる力の導きによって書かれた詩を引き続き使っていた。「詩」に当たるギリシャ語(プサルモス)はルカ 20:42; 24:44と使徒 13:33でも使われていて,ヘブライ語聖書の詩編を指す。加えて,クリスチャンによって作られたと思われる「神への賛美の歌」と「崇拝の歌」もあった。パウロはコロサイの手紙で,クリスチャンが「詩や,神への賛美の歌や,……崇拝の歌」によって,教え合い,励まし合うことに言及している。(コロ 3:16)
心から: または,「心の中で」。聖書の中で「心」という語はたいてい,考え,意図,性質,気持ち,感情全てを含む人の内面を指す。(詩 103:1,2,22と比較。)こことコロ 3:16で使われているギリシャ語表現には広い意味があり,心の中で声を出さずに歌うという考えも含むと理解できる。それは,メロディーと共に神への賛美の歌に表現されている感情で心が満たされている状態。「心から」と訳されているギリシャ語表現は,心のこもった仕方で,正しい心の態度で歌うという考えを含むだろう。
音楽に合わせて: または,「音楽を奏でて」。ここで使われているギリシャ語動詞(プサッロー)はもともと,「弦楽器を演奏する」ことを意味した。「音楽を奏でる」や「賛美して歌う」という意味のヘブライ語に対応するものとしてセプトゥアギンタ訳でよく使われており,楽器の伴奏を伴う場合にも(詩 33:2; 98:5)そうでない場合にも(詩 7:17; 9:11; 108:3)使われた。この動詞はギリシャ語聖書でロマ 15:9(「賛美して歌う」),コ一 14:15,ヤコ 5:13(「賛美の歌を歌う」)にも出ている。ある辞典はこの表現を「旧約聖書の用法に沿って,楽器の伴奏の有無に関わりなく,賛美の歌を歌うこと」と定義している。
エホバに向かって歌い: このような表現はヘブライ語聖書によく出ていて,歌でエホバを賛美するという考えを伝えている。(出 15:1。代一 16:23。詩 13:6; 96:1; 104:33; 149:1。エレ 20:13)聖書全巻の約10分の1はエホバの崇拝と関係した歌で,主な例は,詩編,「ソロモンの歌」,「哀歌」。イエスの時代も,神への賛美の歌を歌うことは神に仕える人の習慣だったようだ。(マタ 26:30の注釈を参照。)コ一 14:15のパウロの言葉からすると,クリスチャンの崇拝では決まって歌が歌われていたようだ。(使徒 16:25。コロ 3:16)この節で神の名前が使われていることについては,付録C3の序文とエフ 5:19を参照。
-